公示地価
2023/07/052023/07/05
2023年分の路線価(1月1日時点)を発表
国税庁は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2023年分の路線価(1月1日時点)を発表しました。
全国約32万地点の標準宅地は平均で前年比1.5%上昇しました。上昇は2年連続。
新型コロナウイルスの影響が弱まり、観光地や繁華街を中心に人出や経済活動の回復が著しく、22年の上昇率を1ポイント上回りました。
路線価とは?
国税庁が毎年7〜8月に公表するその年の1月1日時点における主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を公示(こうじ:公的機関が一般の人に公表すること)するもので、相続税や贈与税を計算するときに活用されます。
この公表された土地価格を「路線価」といいます。
新型コロナの感染症法上の分類が5類に移行する前の評価ですが、インバウンド(訪日外国人)客の増加も見込んで上昇地点が広がりました。
地方都市もにぎわいを取り戻しつつあり、コロナ禍からの回復傾向が鮮明になっています。
都道府県庁所在地の最高路線価が前年に比べて上昇したのは29都市で、22年から約2倍に増えました。
22年は5.8%マイナスと下落率が最大だった神戸市が2.0%プラスに転じたほか、下落が続いていた大阪市や奈良市などもプラスに転じました。
標準宅地の変動率を都道府県別にみると、25都道府県が上昇し、前年より5県多く、最も上昇したのは北海道(6.8%プラス)で、札幌市内や近郊で住宅地の需要が伸びたほか、30年度末の北海道新幹線延伸を見据えて商業地などでも上昇地点が目立ちました。
下落は20県で、和歌山県がマイナス1.2%で最も下落率が大きかったです。
郊外の住宅街は・・・
感染拡大中でも上昇地点がみられたのが首都圏近郊の住宅地。
テレワークの浸透で移住需要の受け皿となり、影響が弱まった現在も、埼玉県や千葉県などの住宅エリアはなお上昇傾向が続いています。
不動産市場の好況も郊外にプラスに働く。都内の住宅は中古物件も含めて高騰しているのが現状です。
9.8%上昇した千葉県船橋市の不動産会社では「都内を諦めて物件を求めて来る人が増えた。都心へのアクセスも悪くない船橋市内の人気は高まっている」(担当者)とも。
都市の近郊では、テレワークの浸透が路線価を押し上げる要因になっているとしながらも「在宅勤務制度の導入は一巡し、出社に回帰する動きもあることから、これからの影響は限定的になる」とも予測されています。
次回のblogもお楽しみください!